ホームページの所有権は誰にある?契約前に確認するポイント

Web運用・保守
WEBSITE OWNERSHIP & CONTRACT GUIDE

ホームページの所有権は誰にある?
契約前に確認するポイント

制作費を支払ったからといって、 ホームページに関するすべての権利や管理権限が 自動的に依頼者へ移るとは限りません。 ホームページには、文章・写真・デザイン・プログラムの著作権、 それらを利用・変更する権利、ドメインの登録、 サーバー契約、WordPressやアクセス解析の管理アカウントなど、 性質の異なる要素が含まれます。 契約前に何を確認すべきか、項目ごとに分けて解説します。

著作権・利用権 ドメイン・サーバー 管理アカウント 契約終了時の引き継ぎ
最初の結論 ホームページ全体に
一つの所有者はいない

著作物、契約、アカウント、データごとに権利者・契約者・管理者を確認します。

著作権 支払いと納品だけでは
自動移転しない

譲渡か利用許諾か、変更・再利用・他社への引き継ぎが可能かを契約で定めます。

運用上の管理 自社名義・自社権限で
引き継げる状態へ

ドメイン、サーバー、WordPress、解析ツールの契約者と管理者を記録します。

SECTION 01

ホームページは一つの物ではなく 複数の権利・契約・データで構成されます

「サイトは自社のものか」という質問は、対象を分けないと正確に答えられません。

ANSWER 項目ごとに
権利者が異なる

ホームページには、文章、写真、イラスト、ロゴ、 デザイン、HTML・CSS・JavaScript・PHPなどのプログラム、 WordPressのテーマ・プラグイン、 ドメイン、サーバー、データベース、管理アカウントが含まれます。

これらはすべて同じ法律関係にあるわけではありません。 著作権で保護される制作物もあれば、 サービス会社との利用契約によって使えるもの、 第三者のライセンス条件に従うものもあります。

したがって契約前には、 「誰が著作権を持つか」だけでなく、 「誰の名義で契約するか」「誰が管理画面へ入れるか」 「終了後にデータを受け取れるか」 を分けて確認する必要があります。

本記事では一般的な契約確認の考え方を解説します。 個別契約の解釈や著作権紛争に関する法的判断は、 契約書と制作内容を確認できる弁護士などの専門家へご相談ください。
SECTION 02

ホームページを構成する 主な権利・契約・管理項目

「所有権」という一語でまとめず、実際に必要な権利と管理権限を確認します。

対象
確認する権利・契約
契約前の確認例
文章・写真・ロゴ・イラスト
著作権、利用許諾、掲載許可、第三者の権利
誰が制作したか、改変・再利用・他媒体への掲載が可能か
デザイン・レイアウト
オリジナル部分の著作権、テンプレートの利用条件
他社による修正や別サイトへの転用が可能か
ソースコード・独自機能
プログラムの著作権、ライセンス、納品範囲
ソースコードを受け取れるか、他社が保守・改修できるか
WordPress・テーマ・プラグイン
オープンソースや有料製品のライセンス
ライセンス契約者、更新費、解約後も使用できるか
ドメイン
登録者、管理事業者との契約、一定期間の使用権
登録者名、管理アカウント、認証メール、移管方法
サーバー
レンタルサーバー会社との利用契約
契約名義、支払者、管理権限、データの受け渡し方法
記事・商品・顧客関連データ
データの利用目的、管理責任、返却・削除条件
エクスポート形式、バックアップ、終了時の返却・削除
解析・検索・外部サービス
Googleなど各サービスのアカウントと利用規約
自社を所有者・管理者として追加できるか
納品されたファイルを持っていることと、 その制作物の著作権を持っていることは同じではありません。 反対に、著作権の譲渡を受けても、 ドメインやサーバーの管理アカウントがなければ 実際のサイト運用を自由に変更できないことがあります。
SECTION 03

制作費を支払い納品を受けても 著作権が自動的に移るとは限りません

著作権を譲渡するのか、必要な範囲の利用を許諾するのかを契約で定めます。

COPYRIGHT 著作権
原則は創作した側

文章、写真、イラスト、デザイン、プログラムなどを 実際に創作した人・法人が著作者または著作権者となるのが基本です。

依頼と報酬の支払いだけで、著作権譲渡まで完了するとは限りません。
LICENSE 利用許諾
契約範囲で利用

制作会社に著作権を残したまま、 依頼者がサイトの公開・運用・修正などを行えるよう許可する方法です。

利用期間、媒体、改変、第三者への再委託などの範囲を確認します。
TRANSFER 著作権譲渡
財産権を移転

契約で著作権の全部または一部を依頼者へ譲渡する方法です。 どの制作物と権利を譲渡するかを具体的に定めます。

第27条・第28条の権利も含める場合は、契約上の明記が重要です。
確認する行為
契約で確認したい内容
起こり得る問題
文章・画像の修正
自社や別会社が内容・色・大きさを変更できるか
修正に制作会社の事前承諾が必要になる
別媒体への利用
SNS、チラシ、広告、別サイトへ転用できるか
Web掲載だけの許諾では他媒体に使えない場合がある
制作会社の変更
第三者へ保守・修正・移転を依頼できるか
利用許諾の地位を第三者へ引き継げない場合がある
類似サイト・多店舗展開
別店舗・別事業・複数ドメインで再利用できるか
一サイト限定の契約で追加利用料が発生する
制作実績への掲載
制作会社が実績として画像・名称・URLを公開できるか
公開前案件や非公開情報が意図せず掲載される
文化庁の著作権契約マニュアルでも、 創作を依頼して報酬を支払い、作品の納品を受けただけでは、 原則として著作権まで譲渡されたことにはならないと説明されています。 譲渡を希望する場合は契約書へ明記しましょう。
SECTION 04

契約前に確認したい 著作権・納品・利用に関する項目

「著作権は依頼者に帰属する」の一文だけでなく、対象と例外を確認します。

01
成果物の範囲を決める

公開サイト、HTML・CSS、テーマ、画像、 ロゴ、原稿、設定資料など、何を納品物とするか一覧にします。

納品対象
02
著作権の帰属を制作物ごとに決める

制作会社へ残すのか依頼者へ譲渡するのか、 文章・写真・デザイン・コードなどの対象ごとに確認します。

権利帰属
03
利用できる範囲を明記する

公開、複製、改変、別媒体への利用、 別会社への保守委託、多店舗展開などの可否を確認します。

利用許諾
04
著作者人格権の扱いを確認する

著作者人格権は譲渡できないため、 修正や公開方法に関して不行使条項を設けるかなどを確認します。

人格権
05
第三者素材とライセンスを分ける

有料テーマ、プラグイン、フォント、 写真素材など、制作会社が権利を譲渡できないものを一覧にします。

例外整理
06
編集可能な元データの納品を確認する

ロゴのAI・SVG、写真の元データ、デザインデータ、 ソースコードなど、公開済みファイル以外も受け取れるか確認します。

元データ
07
再委託・制作実績・秘密情報を定める

外注先の利用、ポートフォリオ掲載、 公開前情報や顧客情報の扱いを契約へ入れます。

情報管理
著作権をすべて譲渡する契約でも、 第三者のテーマ・素材・ライブラリなどは それぞれの利用規約に従うため、譲渡対象から除外されることがあります。 何が自社制作で、何が第三者素材かを一覧で受け取りましょう。
SECTION 05

ドメイン・サーバー・管理アカウントは 自社が把握できる名義と権限にします

著作権とは別に、サイトを公開・移転・更新するための実務上の管理権限が必要です。

01
ドメインの登録者

JPドメイン名では、登録した組織や人が登録者として扱われます。 契約先、登録者名、連絡先、認証メールを確認します。

02
ドメインの管理アカウント

ログインID、二要素認証、支払方法、 AuthCodeなどの移管に必要な情報を誰が管理するか決めます。

03
レンタルサーバー契約

契約名義、料金、更新日、管理画面、 バックアップ、解約後のデータ保存期間を確認します。

04
WordPress管理者

依頼者用の管理者アカウントを用意し、 制作会社と共用パスワードだけで運用しないようにします。

05
Search Console・Analytics

自社のGoogleアカウントを所有者・管理者として追加し、 制作会社のアカウントだけに依存しない状態にします。

06
メール・予約・外部サービス

独自ドメインメール、フォーム、予約、決済など、 サイトと連携するサービスの契約者と管理権限も確認します。

JPRSは、ドメイン名について「所有」ではなく、 登録者が一定期間使用する権利を持つという考え方が一般的だと説明しています。 制作会社名義で登録されている場合は、 契約終了時に登録者変更や管理事業者変更ができるかを確認しましょう。
SECTION 06

契約終了時に受け取れるものと 引き継ぎ条件を先に決めます

制作会社の変更や内製化を決めてから確認すると、移管に時間と追加費用がかかる場合があります。

引き継ぐもの
主な内容
確認する条件
サイトデータ
ファイル、データベース、画像、記事、設定
形式、取得日、受け渡し方法、復元可能な状態か
ドメイン
登録者情報、管理事業者、AuthCode、DNS
名義変更・移管の可否、手数料、所要期間
サーバー
契約情報、管理画面、FTP・SSH、メール
契約を引き継ぐか、新環境へ移転するか
管理アカウント
WordPress、解析、検索、予約、フォーム
所有者変更、管理者追加、旧担当者の削除
ライセンス
テーマ、プラグイン、フォント、写真素材
継続利用、再購入、更新費、アカウント移行
制作・運用資料
仕様、操作手順、更新履歴、外部サービス一覧
資料作成が契約内か、最新状態で受け取れるか
01
終了の申出期限を確認する

自動更新、最低契約期間、解約申出期限、 終了日までの料金を確認します。

契約条件
02
引き継ぎ対象を一覧にする

データ、契約、アカウント、ライセンス、 管理資料をチェック表で整理します。

対象確認
03
新しい管理者を先に追加する

旧担当者を削除する前に、 自社や新制作会社のアカウントでログインできるか確認します。

権限移行
04
移転前にバックアップを取得する

ファイルとデータベースを保存し、 現在の表示やフォームの状態も記録します。

データ保全
05
移管後に旧権限を整理する

制作会社・退職者のアカウント、共有パスワード、 二要素認証、請求先を新しい体制へ変更します。

完了確認
契約終了後にサイトデータを受け取れるとしても、 元データ、独自コード、ライセンス、移転作業まで 無料で含まれるとは限りません。 受け渡す対象、形式、料金、対応期限を契約前に決めましょう。
OWNERSHIP CHECK

ホームページ制作の契約前に 確認したい26項目

曖昧な項目は質問し、見積書・契約書・仕様書・メールなど書面へ残します。

納品される成果物が一覧になっている
文章・写真・ロゴの権利者が分かる
デザインの著作権の帰属が分かる
独自コードの著作権の帰属が分かる
著作権譲渡か利用許諾か確認した
第27条・第28条の権利の扱いを確認した
著作者人格権の扱いを確認した
自社で文章・画像を修正できる
別の制作会社へ保守を依頼できる
SNS・チラシなど別媒体へ利用できる
別店舗・別サイトへの転用条件が分かる
制作実績としての掲載条件を確認した
第三者素材とライセンスが一覧になっている
有料テーマ・プラグインの契約者が分かる
編集可能な元データの納品条件が分かる
ソースコードの納品範囲が分かる
ドメインの登録者名を確認した
ドメイン管理画面へ自社で入れる
サーバー契約の名義と支払者が分かる
WordPressの管理者権限を持っている
Search Console・Analyticsの所有者権限がある
外部サービスの契約・管理者が分かる
契約終了時に受け取るデータが決まっている
移管・引き継ぎの料金と期限が分かる
契約終了後のデータ削除時期を確認した
口頭説明と契約書の内容が一致している
「著作権は制作会社に帰属する」という契約でも、 自社サイトとして継続利用し、内容を更新し、 他社へ保守を引き継げる十分な利用許諾があれば運用できる場合があります。 権利の名称だけでなく、実際に必要な行為が許可されているかを確認しましょう。
MORINOMIYAKO PLAN

制作内容・管理方法・契約条件を 事前に分かりやすくご案内します

杜の都Webサービスでは、ホームページ制作だけでなく、 ドメイン・サーバーの管理方法、WordPressの権限、 公開後の保守、契約終了時の取扱いを事前に確認して進めます。

初期制作費 年間プランなら
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契約前に確認する主な内容

  • 制作するページと機能
  • 依頼者が準備する文章・写真
  • 使用するテーマ・プラグイン
  • ドメイン・サーバーの管理方法
  • WordPressの管理権限
  • 公開後の更新・バックアップ
  • 軽微修正と追加制作の範囲
  • 契約終了時のデータ・引き継ぎ

※著作権、ライセンス、管理権限、データの受け渡し条件は、 使用する素材・システム・契約内容によって異なります。 個別の法的判断が必要な場合は、弁護士などの専門家へご確認ください。

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制作費だけで決めず
公開後に自社で管理・移転できるか確認しましょう

著作権、利用許諾、元データ、ドメイン、 サーバー、管理アカウント、契約終了時の引き継ぎを整理し、 長期的に運用できる契約を選びます。

著作権契約・ドメイン登録・システム開発契約について

本記事は、2026年7月時点の文化庁、JPRS、IPAの公式情報を参考に作成しています。 ホームページ制作契約の権利帰属や利用範囲は、 制作方法、使用素材、契約条項、当事者の関係によって異なります。 本記事は一般的な情報であり、個別契約に対する法的助言ではありません。